保険薬ディフェリンゲル登場 ~ニキビ治療の救世主?~
高見:それからいよいよディフェリンゲルが登場ということですが、これはどんなものなんでしょうか?
角田:ディフェリンゲルは2008年11月に保健薬として認可された、ビタミンA誘導体でアダバレンというものなん
ですけど、毛穴のつまりの原因である角質を薄く剥がしてくれるんですね。
高見:なるほど、具体的にはどう使うんですか。
角田:このディフェリンゲルと抗菌剤を併用して治療していくんで
す。
特に朝は抗菌剤、寝る前にはディフェリンゲルと抗菌剤の
重ね塗りというように、朝晩で分けて患部に塗って使って
いただきます。
高見:ディフェリンゲルが寝る前だけなのはなぜですか?
角田:ディフェリンゲルはビタミンA誘導体なので紫外線に弱いんです。ですから、夜だけの外用にしていただ
いています。
高見:ディフェリンゲルは角質を剥がすことで毛穴のつまりを解消して、毛穴にたまった皮脂をスムーズに
排出させる。
その結果としてニキビが快方に向かうということですね。ピーリングと同じというか・・・。
角田:そうですね。というより、ピーリング剤と考えていただいて構わないと思います
。
高見:そうすると、自費でしかできなかったピーリング治療が保険
でできるようになったということですよね。
これまでの自由診療だったピーリング治療はなくなってしまう
可能性があるんですか?
角田:ええ、この薬が保険認可されたことで、これまでのケミカル
ピーリングが少し下火になるのではないかとも言われています。
でも、自費のピーリング治療がなくなることはないと思っています。
高見:なぜですか?
角田:そうです。やはり保険適用薬ですから、濃度を低めに設定しているんです。効きが強すぎると、トラブル
も増えますから・・・。
ディフェリンゲルは、主に初期のニキビに効果的なんです。それにディフェリンゲルは3ヶ月くらいを一つの
治療期間の目安としていますから、即効性に劣るんですね。
高見:なるほど、保険薬として、より多く症状の患者さんにできるだけトラブルがなく使えるような成分処方に
なっているということですね。
角田:そうです。それと較べて、自由診療のピーリング剤では、 体質や部位、症状に合わせて、ピーリング剤の種類や濃度を
医者が独自に設定するんです。
だから、効果も出しやすいし、治療期間を短くできるんです。
高見:なるほど、本来なら3ヶ月かけて治すより、2週間で治った方
がいいですものね。
患者さんの精神的なものもありますし、少なくとも3ヶ月間、ニキビが続くのであれば、ニキビ跡になる
可能性も継続していくということにもなりますから・・・。
角田:そうですね。(ニキビ跡になってしまいそうな)症状の進行したニキビならば、濃度調整や薬剤の選択が
必要になりますからね。
高見:他に注意すべき点はありますか。
角田:治療期間中は角質層が薄くなるのでUVケアをしっかりしていただくようにお伝えしています。
それと、副作用というか、随伴症状と呼んでいますけど・・・、赤みやかさつき、痒みなどが出ることです。
でも、よくご存じない内科などの先生は、「赤くかぶれちゃっているから止めてください」って治療をストップ
させてしまうことがあるんです。
高見:なぜその症状がでるのか、個々の症状についてご説明いただけますか?
理由さえ分かれば、患者さんの心配がなくなると思うので・・・。
角田:はい、一時的な炎症が起こりますので、赤みや痒みが出ます。
乾燥については、角質がはがれていくので角質層の保湿機能が落ちますよね。皮脂の分泌も抑えられ
ますし。それと、ひりひりした感じも出ることもあるんですけど、これは治療期間中皮膚が薄くなっているの
で敏感になっているからです。
高見:なるほど、角質層を薄くするという治療の性質上、どれも当たり前のことなんですね。
つまり薬が効いていると生じる症状だから、副作用ではなく随伴症状と言うんですね。
角田:そうです。
高見:これに対してはどのような対応をすればいいのでしょうか?
角田:保湿剤を処方して、ディフェリンゲルを外用後、保湿をしてい
ただくようにしています。
高見:他のピーリング治療と同じように、ディフェリンによる治療でもビタミンC誘導体のローションはセットで
処方されていらっしゃるんですか?
角田:そうですね。ピーリングと同じように肌へのローションの浸透性が高まりますから、セットでお使いいただく
のが理想的です。
どうしても保険の範囲内だけでの治療をご希望される患者さんにはディフェリンゲルと抗菌剤と内服薬
だけで治療していただいてます。
でも、ビタミンC誘導体は活性酸素除去が主な目的で、ピーリングや抗菌剤とは処方する目的が違います
からね。
高見:なるほど、ニキビに対する治療のアプローチもたくさんあった方がいいということですね。
いろいろな方向からニキビを治すというか・・・。
ただ患者さんの金銭的な問題もあるので、選択肢として ①(ピーリング、抗菌剤、ビタミンC誘導体)
②(ディフェリンゲル、抗菌剤、ビタミンC誘導体)③(ディフェリンゲル、抗菌剤)の3つがあるよ、ということ
ですね。
角田:はい。そのほかに内服薬も処方しますけど、外用薬を用いたニキビ治療についてはそうなりますね。
高見:まとめますと、「ピーリンングとビタミンC誘導体」というニキビ治療の大きな骨格は2000年当時と今も
大きくは変わっていない。
でも2008年からピーリングに関しては保険でも治療できるようになった。
しかし、保険適用薬という性質上、リスクの少ない低濃度のものにならざるを得なかった。
低濃度ゆえに特に初期段階のニキビに有効で、治療期間も3ヶ月を目安としなければいけない。
だから症状によっては、医師が個々の症状で処方する自費治療の方が有効です。ということ?
角田:そうです。わかりやすい。(笑)でも低濃度とはいえ、保険適用のピーリング剤が出たことは患者さんに
とっては本当に朗報だと思いますね。
特にニキビに悩む方は若い方が多いですからね。
高見:はい。それでは実際にお金はどれくらいかかるんでしょうか?
保険のみで治療したいという場合で教えてください。
角田:保険だけなら初回は、初診料と薬代になります。3割負担ですと、約2700円です。
あと、できればやはりピーリングはビタミンC誘導体と併用していただくことをお勧めしています。
高見:少しでも早く治したいですからね。
角田:そう。またディフェリンゲルは、特に初期のニキビに有効ですので、気になったらすぐに皮膚科に行くこと
をお勧めします。
高見:ありがとうございます。何事も初期治療が大切なんですね。
早い段階で治すことがニキビを悪化させてしまって、ニキビ
跡になってしまうことを防ぐことにつながるということですね。
読者の方には私みたいにニキビ跡が残らないように、と思い
ます。
せっかくこの時代に生まれてきたんですからね。(笑)
角田:そうですね。
「本当にちょっとしたニキビでも相談にいらしていただいて構わないんですよ」と書いておいてください。
それと出来てしまったニキビ跡についても以前と較べればだいぶ治療できるようになったんですよ。
ですから何事も一人で悩まずに相談に来て欲しいですね。
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*角田先生監修のディフェリンゲル治療サイトができました。
ディフェ リンによる治療の実際について、症例写真などを交えながら解説されています。
こちらのサイトもぜひご覧ください。
