女性の疾病研究室トップ歯科医 横江真木子先生 > 顎関節症について

顎関節症について

顎関節症ってどんな病気?
高見:次に顎関節症についてですが、まずどんな病気なのか分かりやすく教えてください。

横江:あごの関節やその周辺、筋肉が痛んだり、口が開かなくなる病気です。
   それによって、開口障害といって食事が出来なくなるほど、口が開かなくなることもあります。
 
高見:まず顎関節ですが、どこにあるんですか?
 
ss-image④.jpg横江:顎関節のある場所ですね。耳の少し手前辺りに手を当てて
         口を開閉していただくと、関節があるのが分かると思います。

高見:20代、30代の女性に多いようですが、これはなぜでしょう
         か?

横江:なぜ女性に多いのかはよく分かっていません。骨格やホル 
        モンなどいろいろと言われています。
   年代的20,30代に多い理由は、ちょうど骨格が完成する時期であることやストレスなどを受けやすい年頃
   ということだと思います。

高見:顎関節症はある日突然、口が開かなくなったり、あごが痛くなったりしますよね。
   どんな人が気をつけた方がいいんですか?要注意なのは?

横江:口をあけるたびにカクカクと音がする人は要注意です。
   そういう方は多かれ少なかれ顎関節に異変があると思っていただいた方がいいですね。

高見:異変というと?

横江:この音をクリック音と呼んでいますけど、あごの関節にはクッションの役割をしている繊維軟骨様の
   組織があります。
   それでこのクリック音は、あごが外れる音ではなく、そのクッションが本来の位置からずれているために
   出る音なんです。

顎関節症の治療

高見:なるほど、そういう場合はどんな治療をすればいいんでしょうか?
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横江:クリック音だけで日常生活に支障をきたしているのでなければ、積極
         的な治療対象ではないです。
   ただし、クリック音がする方は、今後何らかの症状が出やすい状態で
        あることは確かなので、日常生活から注意していただく必要はありま
   す。

高見:たとえば?

横江:まずはできるだけ安静にすること。意図的に鳴らさないことが第一で
   す。

高見:でも口を開けたり閉じたりすると、鳴ってしまうわけですよね。

横江:普段からあごを鳴らすのが癖になっている人はあまり鳴らさない方がいいでしょう。

高見:なるほど。ss-image_ty05.jpg

横江:他にも大きな口を開けない、硬いものを咬まないなど、でき
   るだけあごに負担をかけないことが大切です。症状によって
   は顎の筋肉のトレーニングのために反対に口を大きく開ける
   体操をすることもあります。 

高見:というと・・・。

横江:たとえば、食事は小さく取って口に入れるとか、カラオケとかで大声を出さないとか・・・は予防法にはなる
   と思います。

高見:一生ですか?人生、たまには熱唱したくなるときもあるし・・・。(笑)

横江:いいえ、顎関節の症状は年齢とともに落ち着いてきますから、一生と言うわけではありませんよ。
   気になるようでしたら、あごのストレッチ体操などで和らげるようにも出来ますから受診していただければと
   思います。

高見:簡単にその体操を教えていただけますか?

横江:顎関節症には症状によって種類がありますので、それに応じたストレッチが必要になります。
   ですからまずは医師の診断を受けていただいたと方がいいと思います。

高見:では、どういう場合は病院に行かなければいけませんか?
  
横江:たとえば、口が開かないとか、開けるたびに関節やあごの周囲の筋肉が痛い場合などは、治療しないと
    いけません。
 
 

顎関節症の原因と予防

高見:口が開かないということが健康体の人には、なかなか想像できないと思うんですが・・・。
    具体的な目安はありますか?

横江:指1本分はいるお口の大きさを、1横指というんですけど、それくらいしか開かない方は治療対象になりま
   す。にぎりずしが一口で食べられないくらいというと分かりやすいかな。(笑)

高見:なるほど。原因について伺おうと思ったのですが、さっきのお話だとストレスも関連しているんですね。
 
横江:はい、ストレスが強い人って、就眠中に歯を食いしばったり、
ss-imagey01.jpg        歯ぎしりしている方が多いいんですね。
   たいていの方は無自覚なんですけど、これがあごの関節や
   筋肉に負担になって炎症を起こすことがあります。
    睡眠中の歯ぎしりや食いしばりって、起きているときと較べて
       すごい力なんですよね。

高見:以前、私が歯ぎしり防止に作ったマウスピースをたった
   一晩で穴を開けてしまった患者さんがいました。
   それに一人暮らしとかだと、いびきと一緒でなかなか気が
   つきにくいですよね。

横江:ええ、朝起きたときにあごがだるいとか疲れた感じがないか、意識していただくと「もしかしたら」っていう
    ことがあると思います。

高見:だるいとか疲れた感じとは?

横江:筋肉痛のようなものだと考えていただければと思います。するめみたいなものをたくさん咬んだ後って
   あごが疲れますよね。

高見:他の原因は?
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横江:たとえば、頬杖をつく癖があるとか、いつも同じ向きで寝ていると
   か・・・・、普段の生活習慣が原因になっていることが多いですね。
   ほかにもバイオリンを弾く方などは、バイオリンをあごに当てる姿勢で
   あごに負担がかかって顎関節症になってしまうことがあります。
    それと日中の食いしばりも多いです。細かい作業やパソコンなどで
   仕事をしているときにギュッと食いしばっている方って意外と多いです
   よ。

高見:日中の食いしばりも本人の自覚がないことが多くないですか?

横江:はい。でも日中にそういう可能性があることを意識して過ごしていただくだけでずいぶん変わってくるんで
   すよ。
   思わぬ場面で自分が歯を食いしばっていることに気が付くことも多いですし。
   それに日中に気を配っていると、睡眠中の食いしばりも軽減するんです。

高見:なるほど。普段から気をつけていると、寝ているときも無意識にセーブするのかな?

横江:他に歯のかみ合わせが原因であごの関節に負担がかかっていたりすることもあります。

高見:習慣性のものや構造的なもの、さらに心因性のものまであるということですね。
   そうすると原因を特定しづらいですね。 

横江:そうなんです。顎関節症の原因は様々あって、それが単独でなく、組み合わさっていることが多いので、
   治療も患者さんによって変わってくるんです。画一的な治療では治せないというのが現状ですね。

高見:具体的にどのような治療法がありますか?

横江:普段の生活習慣を改善していただくことは大前提ですが、投薬治療として、顎関節症にとても効く薬も
   ありますし、ストレスが原因なら安定剤や睡眠導入剤を処方することもあります。マウスピースを使って
   いただいたり、あごのストレッチ体操を取り入れる場合もあります。
   他に咬みあわせを調整することで解消する場合もあります。

高見:まず、口を開け閉めしてカクカクと音がする人は顎関節症の予備軍の可能性があるので、私生活を注意
   しましょう。
   それと、大きな口をあけると痛みがある方、目安としておすしが一口で食べられない方は歯医者に相談に
   行きましょうということでいいですか?

横江:はい。
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高見:顎関節症に関しても抜歯と同じように口腔外科を標榜して
         いる先生のところがいいんでしょうか?

横江:そうですね。ただ関節部分だけでなく、咬み合わせも関係し
        ていることがありますので、口腔外科以外でも顎関節症を
        研究されている先生は多いですよ。

高見:そういう先生はどうすれば分かりますか?
  
横江:やはり評判を聞くしかないですね。顎関節症の場合、大学病院に直接行かれてもいいと思いますよ。
 
 
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